turquoise

わたしは、物理的な意味で彼のことを追いかけてばかりいた。最後に会った夏の夜。とても暑い日だったはずなのにあの日の気温についての記憶はどこかに行ってしまった。

ヨーロッパみたいな石橋の柵に座って花火をしていた。わたしは線香花火がしたかったのに、彼はネズミ花火だとかロケット花火だとか、なんだか危なそうなものに夢中になっていた。

風が強くて線香花火花火は火がつきにくかった。

彼は、わたしが好きだった笑い方をしなくなっていて、悲しかった。でも一度だけその笑い方をしたよね。ばかにされてるみたいなのに、だめなわたしでも大丈夫と認めてくれるみたいな笑い方。

君といると何にもできなくなりそうで怖かった。

君に言われた「気持ち悪い」って言葉だけ今もずっと頭の中にある。気持ち悪いのは君だよって言えればよかったのかな。

わたしがアメスピを吸うのは、彼が美味しいって話していたから、どんな味か気になってしまったからだよ。