kosmos

風が冷たい秋の夜。三宮センター街。一口貰った煙草の味もあの日飲んだ甘すぎるカクテルの名前も忘れた。甘過ぎて飲めなくて、彼のジントニック(たしか)と交換した。うるさいところが苦手なわたし達は、端っこの机の下で手を繋いでいた。何を話したんだっけな。彼の手の感触だけ覚えてる。明け方、夜遊びをした日の朝は特別な空気感。自分たちだけ世界の時間から取り残された気分。手を繋いで駅まで歩いた。みんなといたのに気付いたら2人だった。膝の上で眠っていた彼の耳の手触り 覚えてるのはそのことばかり。